今朝の産経Webで「認知症に効く」根拠なし ココナツ油で措置命令という記事を読んだ。
私がガンの治療を始めてから家内は炒めものなどの料理に使う油をココナッツオイルに変えた。
記事にあるような効果をどこからか見聞きして変えたのだろう。

書かれている効果に対するエビデンスは見られないことは調べて分かっていたし、ココナッツオイルの味は私自身の味覚には合わないもので、普通に料理したものをおいしく食べたいのにと思っていた。
端的に言えば、ココナッツオイルを使った料理をおいしいと思ったことがないのでやめて欲しかった。

おそらく家内も効果に対する信頼は持っていなかったと思う。しかし、それでも使い続けたのは「ひょっとしたら」の かすかな希望という情緒だったろう。
その心情を察すると「やめてくれ」とは言えない。
こうした愛情は「エビデンス」などという横文字の分かったような分からない言葉で良い、悪いが言えるものじゃない。
かと言って、色々なひとがそれこそエビデンスのない色々なことを助言してくれるのも事実で、いちいちその通りにもしていられないので、嫌な顔をしながら放っておいている。
この新聞記事のことは私の口からは家内に伝えることは無い。
エビデンスがあろうがなかろうが家内のしてくれることだけは腹いっぱいに受け取ろうと思う。

by たしろ